柔軟な薄膜材料であるウェブを大量生産するための基盤技術のひとつがウェブハンドリングである。
ウェブの特徴と語源
柔軟で長尺な薄膜材料がウェブと呼ばれる
紙やプフィルム、金属箔などの素材、これを二次加工で高機能化された素材もウェブと呼ばれ、情報機器や家電製品、自動車といった身近な製品に広く使われている。ウェブは日常生活において必要不可欠な素材といえる。
ウェブの語源はインターネットのウェブと同じで、元は「クモの巣」の意味と言われている。ウェブを巻き取ったロールの側面がクモの巣に似ている。
ウェブハンドリングの定義
安定したウェブの搬送や巻取りを達成するための科学技術
世界的に著名なウェブハンドリング研究機関である米国オクラホマ州立大学のウェブハンドリングリサーチセンターよると、”ウェブハンドリング”は図記載のように定義されている。
単一素材として製膜されたウェブは、その付加価値を高めるために塗工や印刷、裁断などの様々な二次加工が施され、ロール状に巻き取られて次工程まで保管・輸送されるのが一般的である。このような生産プロセスにおいてウェブ搬送・巻取の条件が適切でないと、しわや傷といったトラブルが発生し、その結果として多大な損失を引き起こす場合がある。
不具合がないようにウェブを搬送して巻き取る技術であるウェブハンドリングは、ウェブ製品の大量生産における重要基盤技術のひとつと言える。
ウェブハンドリングのポジショニング
地味ではあるが無くてはならない生活基盤のような技術
単一素材として製膜されるウェブは製膜技術、ウェブに付加価値を与える二次加工はコンバーティング技術がそれぞれ支えている。これらはウェブ製品の性能を決定づける重要な役割を担っている。ウェブハンドリングはそれぞれの技術を下支えする技術であり、ウェブ製品の品質安定化と大量生産に直結する。
身近な生活に置き換えれば、製膜技術とコンバーティング技術は住宅・家電・自動車といった生活の質を高めるもの、ウェブハンドリングはエネルギー・交通・通信といったライフラインといったイメージである。
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