「ウェブの気持ち」になって考える。なぜならトラブルはウェブが受けた刺激の結果として表れるのだから。
巻取トラブルはウェブやロールの変形となって認識される。図(a)の しわ は、円周方向や軸方向、あるいはその両方からの圧縮応力が臨界値を超えて作用した結果です。一方、ブロッキングはウェブ表面にダメージを与えるほど過度な半径方向応力、弛み(図(b)のようなゲージバンド起因で部分的に伸ばされている)は変形が元に戻らないほど高い引っ張りの円周方向応力がそれぞれ作用した結果といえる。
このようなトラブルの改善には、原因と結果を的確に推定することが大切。そのための重要な心構えを一言でいうと「ウェブの気持ちになって考えること」である。トラブルはウェブが受けた刺激の結果であることを忘れてはいけない。
この心構えはウェブの物性測定においても同じことが言える。工程中で受ける刺激を想定してウェブ物性を評価しないと、数値計算結果が信頼できない場合がある。測定や数値化の勘所やテクニックは学術論文などには記載されないことが多いが、これが計算値と実験値が乖離する主な原因のひとつである。
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